2007年12月07日

「仏果を得ず」

仏果を得ず三浦しをんの「仏果を得ず」(ぶっかをえず)を読んだ。
三浦しをんさんの作品は、「風が強く吹いている」、「あやつられ文楽鑑賞」に続いて3冊目。
「風が」は箱根駅伝を舞台にした青春群像小説、「あやつられ」は文楽ガイドブック、そして今回の「仏果を得ず」は、文楽界を舞台にした青春?小説。
「あやつられ」の取材で得た知識をフルに活用していた。
というか、「あやつられ」を読んだ者にとっては、「同じこと言ってない?」と感じるところが多かった。
ま、「文楽の醍醐味を伝えたい」という情熱は同じなので、仕方ないか・・・

さてさて、この作品の面白さとしては・・・まずまず・・・というか、正直、ちょっと物足りなかった(^^ゞ
もっともこれは「しをんさんの力量はこんなものではない!」ということを知っているからの感想であって、他の著者ならば十分面白い。
文楽を愛するが故に、文楽に対する敬意が強いだけに、「失礼があってはならぬ」という気持ちが過度に働いてしまったのか、少し不自由さが感じられた。
2年くらい前に宮藤官九郎脚本の「タイガー&ドラゴン」というテレビドラマがあったが、あれは各回のエピソードと落語のネタをリンク&融合させて現代版のオチをつけるという構成だったが、あれと同じ要領で、文楽の作品と小説内の登場人物達の人間関係や心理状態を重ねて描こうとしていた。
が、いまひとつ功を奏していない。
思い付いた本人は「キタッ!」と悦に感じていたかもしれないが、読む側はそれほどでもない(^^ゞ
もっとストレートに真髄に迫った方がさわやかに感心できると思う。
なにより登場人物たちに文楽を「説明」させてしまっている印象が否めない。
そういう意味でちょっと残念。
しかし、僕に駅伝の楽しみ方、文楽の楽しみ方を教えてくれた三浦しをんさん!
次はどんなジャンルのどんな面白さを教えてくれるのか、期待しています!!

waits2 at 01:43コメント(0)トラックバック(0)  

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