2008年01月09日

クッククックッ

coffee「いらっしゃいませ」
「一人なんですけど」
「お好きな席へどうぞ」

ガランとした店内。
靴音が妙に大きく響く。
お客は僕以外に一人(一組?)だけ。

「いらっしゃいませ」
そう言ってメニューを渡そうとする店員に
「ヴォルール」
・・・と短く注文する。

久々の下北。
昔よく通った喫茶店に行った
「ヴォルール」とはこの店オリジナルの苦み系ブレンド。
ちなみに酸味系ブレンドは「フルール」。
いずれも「ヴォルール・ドゥ・フルール」というお店の名前にちなんだものだ。

「クッククックッ」

ん?
なんだ?

「クッククックッ」

笑い声。

「クッククックッ」(といっても桜田淳子ではない)

かなり大きな声だ。
というか、どんどん大きくなる。
音源は僕以外の唯一の客が座っていたテーブルの方角。
チラッと見た感じでは、50歳くらいの恰幅の良いおばさんだった。(年齢は桜田淳子くらい?w)
曇りガラス越しに座っているのが見える。
曇りガラスといっても全体が曇っているわけでなく、中央の絵柄が曇っているだけで周辺の透明なところを通してテーブルの上が見える。
かなり大きな冊子を広げている。
雑誌ではなく、写真やカードを収めたファイリングの様なもので、それを見ながら笑っているのだ。

「あっはははは」

それまで必死に笑い声を押し殺していた感じだったが、遂に爆笑し始めた。

「だから・・・なのよねぇ」

えーーーーっ!(←松本人志的驚きの声)
なんでしゃべんねん!

「そうなのよぉ」

間違いない、明らかにしゃべっている。
と、淳子モドキは立ち上がった。

ドンドンドン(←足音)
ガチャッ

彼女がトイレの扉を閉めると同時に僕も立ち上がった。
彼女が座っていたテーブルを確認するためだ。
いない。
誰もいない。
やっぱり一人だ。
一人でしゃべっていたのだ。

「お待たせしました」

ヴォルールが来た。
店員さん、心なしか僕に優しい。
そりゃそうだろう、僕が来るまで一人だったのだから。
さぞや恐かったろう。

ガチャッ
淳子モドキが席に戻る。
と、同時に笑い始める。
もうおかしくてたまらないという雰囲気。

「じゃ、でようか」

というような会話でもしたのか、淳子モドキは荷物を片づけ始めた。

ドンドンドン(←モドキの足音)
カランコロン(←鬼太郎ではなく入口扉に付いてるカウベルの音)

昔聞いたことがある:
独り言にも色々あって、自分に語りかけるつぶやき系(ヴォルール)、人に話しかける対話系(フルール)w
この対話系の場合、その人だけに見える誰かと話しているんだとか!?
まさにそんな感じでした

waits2 at 00:05コメント(0)トラックバック(0)生活 | グルメ 

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
LIVE Schedule
@吉祥寺Manda-la2
春のスペシャルライブ
2024年3月26日(火)
4月の対バンライブ
2024年4月15日(月)
Tatsuyaワンマンライブ
2024年5月8日(水)
Tatsuya's 7th アルバム
"FUN"
14th, Jun, 2022 released
ご購入はこちら↓
"LIFE"収録曲
「花を飾ろう」MV

"Utautai"収録曲
「こゝろ」PV

Twitter
ここで
つぶやいてます。
Categories
Archives
Recent Comments
QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ