2010年09月24日

アイルランド旅行時系列編2(アラン島)

さて、いよいよアラン島に上陸!
アイルランド旅行の続きを書きたいと思います。

9月11日(後半)
P9110637副操縦席のお婆さんが余計なことをしなかったお陰で、飛行機は無事イニシュマーン島に到着しました(写真は現地の空港)
実を言うと、アラン島は、一番大きなイニシュモア島、真ん中のイニシュマーン島、東に浮かぶイニシィーア島の3つの島から構成されており、故に「アラン諸島」というのが正確な呼び名の様です。


P9110641こちらがこの日お世話になるアン・ドゥン(An dun)というお宿。
B&B(ベッド&ブレークファースト)ですが、予約しておけば夕飯もサーブしてくれます。
ま、そうじゃないと、レストランがないので、困るよね。
お好み焼き屋でもあれば別ですがw

まずは食堂に案内され、ウェルカムティーをいただきました。
窓からの素晴らしい眺望↓を楽しみながら女将のテレサさんやオステンフェルド夫妻としばし歓談。
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でもって、さっそく女将のテレサさんにお土産をプレゼント
空港では1曲入りのCD1枚きりでしたが、テレサさんにはCD2枚(1枚は空港に渡したのと同じAran Islandsだけを収めたもの、もう1枚は10月発売に向け鋭意製作中の完成前の4曲を収めた超貴重版)と、日本らしい模様の風呂敷を贈りました。
お客さんから、ましてや一見さんからお土産をもらうなんて滅多にないことだけに、大変喜んでいただきました。でもって、CDはこれまたさっそく再生♪
"So sweet"と目を丸くして褒めて?いただきました(^^ゞ
考えてみれば、3拍子の曲はアイルランドにはたくさんあるけど、こんなスローなのは珍しいかも?
当然、歌詞を知りたいという流れになったので、「プリンタを貸してもらえないか?」とお願いしたところ、インクが切れていました。インクなんか売ってるわけがないw
では、「明日までに歌詞を手書きしておきますね」ということで、さっそく島の中を散策に出かけることに。
この時、オステンフェルドさんに「決して石垣を登るなよ!」という忠告をいただきました。
出られなくなって、大変なことになることがあるようですw

P9110652さて、こちらの建物は、アン・ドゥンのすぐ隣にあるジョン・ミリントン・シングという劇作家が滞在していたコテージ。
1898年から1902年までの足掛け4年間、シングは毎年夏から秋にかけてイニシュマーン島を訪れこのコテージに滞在していた(ただし現在のコテージは当時のものそのものではないみたい)。

シングの代表作に「海に騎りゆく人々」という戯曲があり、この作品がアランセーターの伝説を世に広めたと言われている。
シングは、3つのアラン島すべてを訪れているが、このイニシュマーンを最も愛した。
理由は他の2島に比べ、イニシュマーンが最も俗化されていなかったからのようだ。
これは今も同じで、一番大きなイニシュモアには100m級の断崖絶壁やドゥン・エンガスといった要塞跡のような観光スポットがあるので、一般的なアラン島の観光客はまずこちらを訪れる。
また、東に浮かぶ最も小さいイニシィーアは、モハーの断崖近くのドゥーリンという町から近いこともあり、またロバに乗って観光するアトラクション的なものも用意されていたり、これまた意外に観光地化されているそうだ。
それらに比べイニシュマーンは何もなく、唯一の観光資源はシングのコテージくらいだろう。
イニシュマーンが俗化しないのは、最も不便な位置にあるからかと思っていたら、もう一つ理由があった。
それは、他の2つの島は港の周辺に人々が住む集落が集まっているのに対し、イニシュマーンは、島の中央に民家が集まっていて、島外の人々との交流の機会が絶対的に少ないかららしい。
この情報は、実際に地図を見せてもらいながら、宿の女将さんからではなくオステンフェルドさんから教わった。
P9110679そうそう、シングのコテージ以外にもう一つ、「シングの椅子」という観光スポット?があるので、そこへ向かって歩きながら島の景色を楽しみに出かけた。
ここからはしばし写真をお楽しみください。

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♪よーく晴れた緑のアラン島へゆこう♪
歌の通りの天気に恵まれました。
やっぱ運がええわ。
天気がいいと、もうそれだけでどうでも良くなるねぇ〜!

ネットやテレビとかで結構画像や映像を見ていたので頭の中でイメージはできていたんだけど、実際の景色はやはり想像を遥かに凌ぐ素晴らしいものでした
ゆっくり、ゆっくり、かみ締めるように風の音や波の音、そして夢のような景色を楽しみました。

IMG_1371途中から道なき道、というか岩の上を歩いてゆくと...あれかな?

IMG_1372どうやらここのようです。
「椅子」というので座る椅子を想像していたのですが、そうではなく風避けの一人シェルターみたいなものでした。

P9110754シングはここからの景色を愛していたと言われています。
向こうに見える陸地は、お隣の島イニシュモア。
正直、想像したほどでもないなぁと思ったのですが、ここは島の西端、きっと夕焼けがとてもきれなのでしょう。
その美しさを確かめたいところですが、日没時間は午後8時くらい。
夕飯が7時くらいからということなのでちと難しい。
しばし黄昏気分に浸って引き返すことに。

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教会の横を通り過ぎているのが副操縦士のお婆さんです。(嘘ですm(_ _)m)
このご老人が着ているのがアラン島の伝統的な民族衣装で、僕も写真では見たことがあったのですが白黒だったので、こんなにカラフルなショールだとは知りませんでした!
日曜日以外に見かけるのは非常に稀ということで、これまたラッキーでした。

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さて、夕飯です。
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そうそう、3コースディナーの意味が分かりました!
アイルランドにおける「3コースディナー」とは、スターター(前菜)、メイン(主菜)、デザートの3つのカテゴリーから一つずつ選んで注文するディナーでした。
アン・ドゥンでは、その3つプラス、サイドディッシュとして、ポテトと人参のサラダがつきました。
さすがにこのサイドディッシュは食べ切れませんでした(^^ゞ

IMG_1393さて、夕飯が終わったからといってまだまだこの日は終わりません。
オステンフェルドさんと「11時過ぎに集合しよう」と約束した島で唯一のパブに行きました。
朝4時に起きたというのに...なんて長くて、なんて盛沢山な1日!

すでにオステンフェルドさん夫婦は先に来ていて友人らしき人々と盛り上がっていました。
大きなテーブルに僕らも同席させてもらい、僕の正面には「まったくの島の住民」が一人で座ってギネスを飲んでいました。
「まったくの島の住人」という表現を使った理由は、彼は英語が苦手で、ゲール語しかしゃべれないケルト人だったからです!(この情報はオステンフェルドさんの奥さんからケルト人がちょっと席を外している間に後で聞いて知りました)
もっとも、苦手といっても日本人よりは断然しゃべれるのですがw
僕が日本人であることなど多少の自己紹介をした後、彼は
"How many bicycles in Beijing?"
と訊いてきました。
なんの脈絡もないのですが、彼なりに興味を示してくれたのかと思うと嬉しくて僕はI don't knowと答えながら笑いました。
「Beijing=北京は日本じゃなくて中国じゃろうが〜!」
という突っ込みもやめときましたw
彼にとって日本も中国も大した違いはない。
ただ、テレビか何かで見た自転車の多さに驚いたことがあったので
「北京にゃ自転車がよーーーけ走りよるよねぇ」とぶつ切りの感想をぶつけただけなのだ。
なんだかおかしい。
僕も彼もなんだかおかしくてニヤニヤ笑っていた。
なんとなくケルト人というのが僕にとっては生きた文化財のように思えて、『今ケルト人と話している』と思うだけでワクワクした。
martin一般的な話題も尽きたところで、僕はiPhoneを取り出しこの写真←を彼に見せ、「この男を知っているか?」と尋ねた。
すると、ケルト人は目を凝らしてiPhoneの画面を覗き込み、一言"Martin!"と答えた。
今から2、3年前にNHKのハイビジョン特集でセーターの編み方を母親や祖母から受け継ぐ女の子を主人公にした「荒海にセーターを編む」というドキュメント番組が放送されたのだが、その舞台こそがイニシュマーンだったのだ。
その女の子の母親は日中、島で唯一のパブで働いており(まさに僕がその時にいたパブ!)、漁師の父親は最近空港で働き始めたということだった。
僕はアイルランド旅行に出かける直前にその番組を見直し、父親の写真を撮影しておいたのだ。
人口200人足らずの島だけに、現地人なら全員顔見知りのはずだ!
僕の予想は当たった。
ケルト人は、「これはどういうことだ?」と興味を示したので、僕はその番組について説明した。
この写真は、聖パトリックデイ(3月17日)に、この島だけで伝統的に行われている「キャド」というスポーツ大会の様子で、Martinが構えているところ。
もちろん、現地人の彼にはこれが何の大会かもわかっているし、おそらく彼もこの時参加していたはずだ。
さっきまで付き合いでしゃべっていた彼もグッと興味がわいたみたいで、身を乗り出してきた。
ケルト人はニヤリと笑い
「お前はスパイか?」
と言ったw
僕は馬鹿ウケw
やがてケルト人は、「たしか彼は空港で働いている」と言った。
おおおおおお!
空港での仕事、彼はちゃんと続けていたのかぁ〜。
その番組の中でMartinは、「今日も不漁だ」と暗い表情ばかりで覇気がなく、空港の仕事もすぐに辞めてしまいそうな感じだったので、心配していたのだが、そうかぁ、続けていたかぁ。
まったくの赤の他人なのに、テレビで見ていただけに親近感がわいていたのだw
僕も妻も、「マーティン、空港の仕事を続けていたかぁ」と妙な安心感を抱いたのだったw

さて、ここで今日の一番最初の写真を見直していただきたい!w
現地の空港に到着した時に、何も考えずに妻が撮影した写真を!
わからない?
では、拡大してみよう!↓
0P9110637マーチンじゃん!!!w
目をつむっているけど、間違いなくマーチンだ!
この写真に気付いたのは帰国してからw
もしやと思ってチェックしていたら写っていたのだ。
いやー、ビックリ

iPhoneネタで妙な盛り上がりを見せたところで、僕らは帰宅することにした。
というのも、翌朝、僕は日の出の写真を撮るという任務があるのだ。
今回の旅で虹の写真と共に、ボイストレーナーの高橋君に「日の出の写真も欲しい」と言われていたのだ。

まさに降るような星空の下、真っ暗な道をアン・ドゥンに向かって歩いて帰りました。
おそらく僕の人生の中で屈指の幸せな一日がようやく終わりを迎えるのでした。


waits2 at 00:38コメント(8)愛蘭土旅行 |  

コメント一覧

1. Posted by りゅ   2010年09月24日 02:26
お帰りなさい^^
どの写真も素晴らしいですね。
僕はグラスゴー(スコットランド)に死ぬまでに行ってみたいです^^
そんで現地でエディ・リーダーのLIVEを見てみたいのです(笑
2. Posted by kaku   2010年09月24日 23:27
おかえりなさい。
バタバタしていて気がつくと
いつも10時を過ぎているので
なかなか電話できません。ごめんなさい。
空港でCDの曲がかけられたことを話すと
子どもたち大ウケでした
また連絡します
3. Posted by 風太   2010年09月25日 01:39
どうもです、りゅさん
ほーーー、エディ・リーダー
Perfectの人というくらいしか知らないのですが...違ったかな?
是非とも実行に移してください!
思わぬ収穫がたくさんあると思いますので!
4. Posted by 風太   2010年09月25日 02:21
どうもです、kakuさま
アイルランドは本当にいいところでした。
是非とも、アイリッシュホスピタリティを体験してみてくだされ。
ところで、太郎は受験で東京に来ることはないんかね?
もしもの場合は、遠慮なく
5. Posted by Vivace   2010年09月26日 13:50
5 はじめまして:)
モハーの断崖を検索してたら、あなたのサイトに行き当たりました。現地の様子が目に浮かぶようで、写真も鮮やかで、見入ってしまいました。
楽しいブログですね!
私は、6年前に北アイルランドへ旅したことがありますが、寒い北へ行くほど、人々が、温かかったのが印象的でした。よった人も多かったけど、、。また、一人で旅したいです。
ところで、なぜアイルランドへ行こうと思ったの?
Vivace, from Indiana, U.S.A
6. Posted by 風太   2010年09月27日 01:55
どうもです、Viaceさま
「楽しいブログですね!」という嬉しいお言葉、ありがとうございます。
アイルランドはずっと昔から憧れていました。
最初はビートルズなのだと思います。4人の内3人はアイルランド系英国人なので。
その他、あれ?これもアイルランド?これもアイルランド?と小さなことがいくつも重なっていき、いつの間にかアイルランド大好き人間になってしまいました。
ところで、Vivaceさんは、米国在住のようですが、日本人なのですよね??
7. Posted by Vivace   2010年09月27日 12:20
風太さん
ビートルズのうち3人もがアイリッシュ系とは知りませんでした!
そういうば、北アイルランドへ行った時は、リバプールからフェリーに乗りました。乗客の多くの方が、ものすごく青い綺麗な目をしていて、英語のなまりも独特だったのを覚えています。
私は、何故かわかりませんが、アイルランドという響きが好きで、旅しました。行ってみて、なんというか、あの独特の静けさと少し寂しげな雰囲気が、とても心に染み入ってくる感じが忘れられません。
といいながら、今は仕事で在米生活です。思いっきり日本人です。
風太さんの曲、どうすればUSで聴けますか?
8. Posted by 風太   2010年09月27日 19:18
どうもです、Vivaceさま
今回、アイルランドへの手みやげとして持っていった曲は、来月、リリースする予定で鋭意作業を進めています。しかし、あくまで手売りなので、お皿は難しいかと思うのですが、iTunes配信も検討しているので、可能になったら、是非ともお知らせしたいと思います。
よろしくお願いしますm(_ _)m

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