2012年12月01日

「のぼうの城」

IMG_0267先月の中旬、映画「のぼうの城」を観た。
なるほど、面白かった。
2時間25分という長編であるにもかかわらず、まったく飽きることなく最後まで魅せてくれた。
最大の功労者は、のぼう様(成田長親)役を演じた野村萬斎だろう。
功労者というか、彼でなければ、この映画は成立しなかったかも。
そう思わせるくらい、素晴らしい演技と舞を見せてくれた
実はこの映画、完成に至るまで、大変だったようだ。

2003年冬 和田竜氏のオリジナル脚本「忍ぶの城」が城戸賞(新人脚本家を発掘するための賞)を受賞。
2004年6月 和田氏とプロデューサーの久保田氏が初面会。2ヶ月後、映画化権を久保田氏が依頼し、和田氏が快諾。
2005年1月 和田氏と犬童監督、樋口監督の初三者打ち合わせ。(そう、この映画、監督が二人いるのだ。)
2005年夏 のぼう役を野村萬斎にはじめて打診。

IMG_0268ここまでくれば、あとは撮るだけじゃん!と思いきや、実はここからが大変だった。
映画会社へのプレゼンを行うも、なかなか話が進まない。
というのも、この頃、実写映画といえば、ベストセラー小説やマンガを原作としたものが多く、オリジナル企画はリスクが高いからか、敬遠されていたのだ。
そこでプロデューサーたちが考えた苦肉の策が、脚本「忍ぶの城」の小説化案
え?脚本→小説って、興行的に大成功を収めた映画しかないような。
それに、たとえ小説にしたところで、ベストセラーにならないと意味がないし、逆に売れないと、かえって映画化の話も頓挫する可能性が高まるような....。
そもそも、誰がその小説を書くの?
実は久保田P、新人脚本家ながら和田氏は小説も書けると読んでいたようだ。

2006年1月、久保田P、「忍ぶの城」の小説化を和田氏に相談。
2007年11月 タイトルを「のぼうの城」に変更し、和田氏執筆による小説を出版。
(このタイトル変更も功を奏したかと

2009年春 小説「のぼうの城」が本屋大賞第2に選ばれる。(1位は「告白」著:湊かなえ)
2009年夏 映画化が正式に決定
2010年8月 クランクイン
2010年11月 クランクアップ

IMG_0269実はこの映画、2011年9月17日に全国公開されることが決まっていた。
しかし、実際に公開されたのは、2012年。
どうして?
察しが良い方はお分かりかと思いますが、この映画、「水攻め」が見せ場の大スペクタクル作品。
そのような作品を3月11日の震災を経験した日本人が受け入れられるわけがない、との判断だ。
実際、映画を観た時、津波を思い出さない日本人はいないだろうと思った。
この水攻めシーンは史実であって、それを描写したに過ぎないということは頭では承知できる。
しかし、震災のあった年に、さすがにこのシーンは受け入れられなかっただろうと僕も思う。
また、単に延期しただけでなく、修正、削除されたシーンもたくさんあったという。
せっかくの迫力あるシーンを削るって、辛い作業だったろうと思うけど、それも仕方あるまい。

2012年11月 全国一斉公開

ということで、ようやく公開。
原作は面白かったのに映画は残念というのはよくあることが、この作品はその心配はないかと!(僕は原作を読んでいないけど(^^ゞ)
実際、興行的にもまずまずの成功を収めているようなので、製作に関わった方々の苦労も報われたかと。
先述したように、僕としては、とにかく野村萬斎様々かな。
「舞」が誰かに教わったものでなく、本物なので、やはり見ていて見応えがあり、「生で彼の舞を見てみたい!」と思わせた。
唯一苦言を呈させていただくなら、「でくのぼう」ながら人望は厚いという「のぼう様」、どうして人望が厚いのか、その理由が今ひとつ描けてなかった。
「なるほど!皆が彼を愛するのももっともだ!」そう思わせるエピソードが欲しかったかな。
「いいなぁ」と思ったところは、のぼう様を「撃て」と命じた三成とのぼう様の頭の中を、一切説明することなく、観る者に任せたところ

さて、今日は映画の日(昔は1年に1回だけだったよね?(^^)。
皆さん、何を観てるのかな?

waits2 at 16:19コメント(0)トラックバック(0)映画 | 吉祥寺 

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